AIが平気で嘘をつく理由と、嘘を見抜く3つの方法
AIは知らないことを「知らない」と言わず、それらしい嘘を作ります。これは故障ではなく仕組み上の性質です。危ない場面と、現実的な防ぎ方をまとめました。
この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。リンク経由で購入・申込みがあった場合、当店に紹介料が入ることがあります。紹介料の有無で評価は変えていません。
AIを仕事で使うなら、これだけは先に知っておいてください。
AIは、知らないことを聞かれたとき、それらしい嘘を作ります。
しかも、その嘘は文章としては完璧です。堂々としていて、もっともらしくて、疑う気が起きません。これが一番やっかいなところです。
なぜ嘘をつくのか
AIは、「正しい答え」を探しているのではなく、「それっぽく続く言葉」を並べているからです。
膨大な文章を読み込んで、「この質問のあとには、こういう文章が続くことが多い」というパターンを学んでいます。だから、答えを知らなくても、答えの形をしたものは作れてしまう。
人間で言えば、よく知らない話題について、知ったかぶりで自信満々に喋っている状態です。悪気はありません。仕組み上そうなります。
この現象は「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれています。新しいAIになるほど減ってはいますが、ゼロにはなりません。
特に危ない場面
経験上、この4つは高確率で間違えます。
1. 数字
金額、割合、日付、統計。AIは計算が苦手で、しかも間違えたことに気づきません。 「1,500円の3割は500円です」のような誤りを、真顔で出してきます。
2. 制度・法律・ルール
税金、保険、補助金、資格の要件。制度は改定されますが、AIの知識は特定の時点で止まっています。古いルールを現行のものとして答えてきます。
3. 出典・参考文献
「この根拠はどこですか?」と聞くと、存在しない本や論文の名前を作ります。著者名も出版社もそれらしく作るので、本当に厄介です。
4. 固有名詞
人名、会社名、商品名。似た名前を混同したり、実在しない製品名を作ったりします。
見抜く3つの方法
完全に防ぐ方法はありません。現実的にできるのはこの3つです。
方法1:出典を聞いて、そのリンクを実際に開く
「それはどこに書いてありますか?URLも教えてください」と聞きます。
ここで重要なのは、返ってきたURLを実際にクリックして開くことです。開かずに安心すると意味がありません。存在しないページだったり、開いても全然関係ないことが書いてあったりします。
開いて、中身を読んで、書いてある。ここまでやって初めて確認したことになります。
方法2:同じ質問を2回、別々に聞く
新しい画面(新しいチャット)を開いて、まったく同じ質問をもう一度します。
本当に知っていることなら、2回とも同じ答えになります。 作り話なら、2回目は違う話が出てきます。数字や固有名詞が変わっていたら、それは作られたものです。
慣れてきたら、ChatGPTとClaudeなど別々のAIに同じ質問を投げるとさらに精度が上がります。
方法3:「知らない」と言っていいと伝えておく
質問の最後にこう付け加えます。
「分からない場合は、推測せずに『分かりません』と答えてください」
これだけで、無理やり答えを作る頻度がはっきり下がります。一言足すだけなので、やらない理由がありません。
一番確実な対策
正直に言うと、上の3つより効く対策があります。
間違っていても困らない仕事にしか使わないこと。
メールの下書き、資料の整理、アイデア出し。これらは間違っていても読めば分かるし、直せます。一方、金額の計算や制度の判断は、間違いに気づけないまま外に出ていきます。
この線引きについてはひとり事業主がAIに任せていい仕事・任せてはいけない仕事に詳しくまとめました。
まとめ
- AIは「正しい答え」ではなく「それっぽい言葉」を出す仕組み。嘘は故障ではなく性質
- 数字・制度・出典・固有名詞は特に危ない
- 出典を聞いて実際にリンクを開く
- 同じ質問を2回聞いて、答えが変わらないか見る
- 「分からないなら分からないと言って」と付け加える
- そもそも、間違っても困らない仕事に使う
AIを疑いながら使うのは面倒に思えますが、慣れると数秒で済みます。疑わずに使って一度痛い目を見るより、はるかに安上がりです。