OfficeやGoogleに付いてきたAI(Copilot・Gemini)に追加で払うか。ひとり事業主は「アプリからチャットへコピペした回数」で決める

Microsoft 365にもGoogle Workspaceにも、いまはAIが組み込まれています。ただし「追加費用なしで使える範囲」と「追加で払わないと使えない範囲」の線が分かりにくく、ボタンが出ないからと上位プランを買ってしまう人がいます。公式の料金ページを確認したうえで、追加なしで使えるものの一覧、払うかどうかの判断表、30日で結論を出す手順、年契約の縛りなどの失敗をまとめました。

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結論から言うと、ひとり事業主は、まず「追加費用なしで使えるAI」だけで1週間仕事をして、WordやExcel、Gmailの画面から出てAIのチャット画面にコピペした回数を数えてから決めるのが一番損をしません。1日3回以上が続くならアプリの中にAIがある価値があり、それ未満なら追加で払う理由はまだありません。

この記事は、店主がMicrosoftとGoogleの公式料金ページを2026年10月に確認して整理したものです。店主自身はアプリ内のAI(Copilot・Gemini)を契約して使い込んではいないので、「使った感想」ではなく「公式情報と判断の仕方」として読んでください。料金はキャンペーンで変わるので、契約前に必ず公式ページを見直してください。

いま何が「付いてきて」いて、どこから有料なのか

分かりにくさの原因は、同じ「Copilot」「Gemini」という名前で、チャット画面だけのものと、WordやExcel、Gmailの画面の中で動くものが混ざっていることです。前者は多くの場合すでに使えて、後者はプランや追加料金が要ります。

使っているもの 追加なしで使えるAI アプリの中でAIを使うには 公式の金額(税別・2026年10月確認)
Microsoft 365(法人向け Business プラン) Copilot Chat(チャット画面。追加費用なし) 「Microsoft 365 Copilot Business」を追加する 1人あたり月3,148円相当・年払い。2026年12月31日までの申し込みは初年度2,698円
Microsoft 365 Personal(個人向け) ― 含まれている(AIの利用回数に月の上限あり) 年21,300円
Google Workspace Business Starter GmailのGemini、Geminiアプリの基本機能 ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中で使うなら Standard 以上に上げる Starter 月800円 → Standard 月1,600円(1人あたり)
個人の無料Gmail Geminiアプリの無料版 Google AI Pro に入る 月2,900円

ポイントは2つあります。

1つ目は、Microsoftの法人プランなら、チャット画面のCopilot Chatは追加費用なしで使えると公式に書かれていることです。文章の下書きや要約は、これで足りる人がかなりいます。

2つ目は、GoogleのStarterプランで使えるGeminiはGmailの中だけで、ドキュメントやスプレッドシートの中で使うにはStandardに上げる必要があることです。「Geminiが付いているはずなのにスプレッドシートに出ない」はこれが原因です。

払うか払わないかの判断表

「Copilot と ChatGPT どっちが上か」で決めると失敗します。決め手は性能ではなく、自分の1日の中で、アプリの画面を離れずにAIに手伝ってほしい瞬間が何回あるかです。

あなたの状況 答え
Word・Excel・Gmailをほとんど使わない(紙や専用ソフトが中心) 払わない。無料のチャットAIで十分
使うが、頼む内容は「文章の下書き」「メールの返信案」「要約」が中心 払わない。Copilot Chat や GmailのGemini など、追加なしの範囲で始める。チャット画面にコピペすれば済む
スプレッドシートやExcelの中で、式の作成・データの整理・グラフを1日に何度も頼みたい 無料試用で30日試して、回数を数えてから決める
長い文書の中で「この段落だけ直す」「この表の下に続きを書く」を繰り返す 同上。コピペの往復が消える効果が一番大きいのはこの作業
複数人で、メール・会議の記録・ファイルを横断して「あの件どうなった」と探す仕事が多い 追加の価値が出やすい。ただし、ひとり事業主でこれに当てはまる人は少ない

アプリ内AIの本当の価値は「賢さ」ではなく、コピペの往復が消えることです。逆に言えば、コピペが苦にならない仕事なら、払う意味はほぼありません。

30日で結論を出す手順

  1. 今の契約を確認する。Microsoftなら管理センター、Googleなら管理コンソールの「お支払い」で、自分がどのプランかを見る。ここを飛ばすと、次の「ボタンが出ない」で誤った買い物をします
  2. 追加なしのAIを開く。MicrosoftならCopilot Chat、GoogleならGmailの画面にあるGeminiのマーク。これで1週間、いつもの仕事をする
  3. 正の字で数える。アプリの画面から出て、AIのチャット画面に文章や表を貼りつけた回数を、1週間だけメモする。1回の往復はだいたい2分前後の手間です
  4. 1日3回以上が5日続いたら、無料試用を申し込む。Microsoftの法人向けは1か月の無料試用があり、カードの登録が必要で、終了後は自動で有料に切り替わります。申し込んだその場で、カレンダーに「試用の終了3日前」を入れてください
  5. 試用の最終週に、また数える。今度は「コピペしなくて済んだ回数」です。1日3回未満なら解約して、追加なしの範囲に戻ります

1日3回、1回2分なら、月20日で約2時間です。月3,148円の追加を「2時間を買う値段」と見たとき、自分の時給と比べて納得できるかどうかが、この判断の中身です。

よくある失敗と回避策

失敗1:ボタンが出ないので、上のプランを買った WordやExcelにCopilotのボタンが出ない理由は、ライセンスが対象外のほかに、アプリの更新が止まっている、契約と別のアカウントでサインインしている、設定で「接続されたエクスペリエンス」がオフになっている、など複数あります。Microsoftの公式サポートページも、最初にライセンスの確認とアプリの更新を案内しています。買う前に、この4点を確かめてください。

失敗2:年契約だと知らずに追加した Microsoft 365 Copilot Business の追加は年間契約が前提で、割引価格も初年度だけです。「1か月だけ試すつもり」なら、必ず無料試用から入ってください。Googleの料金ページも「1年契約なら16%お得」と月契約と年契約を分けています。安いほうを選ぶと、やめたくなっても1年は払います。

失敗3:ChatGPTの有料版と二重に払っている 月20ドル前後のチャットAIをすでに契約している人は、アプリ内AIを足すと毎月の固定費がほぼ倍になります。両方が必要な仕事はまれです。アプリ内AIを試す1か月は、チャットAIのほうを無料版に落として、どちらが欠けると困るかを見てください。判断の軸はAIの無料版と有料版は何が違うのかに書いたものと同じです。

失敗4:「社内の資料を全部読んでくれる」を期待した Microsoftが推している機能に、メールや会議の記録、ファイルを横断して答えを探すものがあります。これは人が多い会社では効きますが、ひとりで回している事業では、資料は自分の頭の中にあることが多く、恩恵が出にくいです。説明のうち「チーム」「組織」が主語になっている部分は、自分には当てはまらないものとして読み飛ばしてください。

向かない人・向かない場面

  • お客様の個人情報を含む表を日常的に扱う人。アプリ内AIは、開いているファイルの中身をそのまま読みます。チャット画面にコピペする手間は、実は「何を見せるか」を自分で選ぶ関門になっていました。その関門が消える点は、便利さと同時にリスクです。何を入れていいかの線引きはAIに入れていい情報・ダメな情報を先に読んでください
  • Officeの買い切り版(2019や2021など)を使っている人。アプリ内のCopilotは対象外です。使いたければ、まず月額版への切り替えが必要で、その費用のほうが大きくなります
  • AIに頼む内容がまだ固まっていない人。アプリ内AIは「毎日やる決まった作業」を速くする道具です。何を頼むか決まっていない段階では、チャット画面のほうが試行錯誤しやすく、安いです

まとめ

  • Microsoftの法人プランならチャット画面のCopilot Chatは追加費用なし。GoogleのStarterはGmailの中だけ、ドキュメントで使うならStandard以上
  • 払うかどうかは性能ではなく、アプリからチャットへコピペした回数で決める。目安は1日3回
  • 必ず無料試用から入り、申し込んだその場で終了日をカレンダーに入れる。追加は年契約が前提
  • ひとり事業主に効くのは「コピペの往復が消える」効果だけ。「チームの資料を横断して探す」説明は読み飛ばしてよい

どのチャットAIを選ぶか自体がまだ決まっていない方は、ChatGPT・Claude・Gemini、ひとり事業主はどれを使えばいいかが先です。

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