PDFの結合・分割・圧縮をどこでやるか。AIチャットに頼む前に、書類の中身で「手元」か「ネット上」かを決める
PDFを1つにまとめる、ページを抜き出す、容量を小さくする。こうした作業はAIチャットに頼むより、パソコンの標準機能か無料のオフラインソフトで済ませたほうが速くて安全です。見積書や契約書のように相手の情報が入ったPDFは、ネット上の無料ツールに上げる前に一度止まってください。作業ごとに「どこでやるか」を決める判断表、手元だけで済ませる手順、よくある失敗をまとめました。
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結論から言うと、PDFの結合・分割・圧縮は、AIチャットの仕事ではありません。パソコンに最初から入っている機能か、ネットにつながずに動く無料ソフトでやるのが、いちばん速くて、いちばん安全です。ネット上の「無料PDFツール」は便利ですが、相手の名前や金額が入った書類を上げるかどうかは、書類の中身で決める。この記事はその決め方の話です。
PDFの作業は「どこでやるか」で3つに分かれる
PDFをいじる場所は、大きく3つあります。
- 手元:パソコンに最初から入っている機能や、ネットにつながずに動くソフト。ファイルはパソコンの外に出ません
- ネット上のPDFツール:ブラウザでファイルを上げて、処理されたものをダウンロードする無料サービス。ファイルは一度、相手の会社のサーバーに置かれます
- AIチャット:ChatGPTなどにPDFを渡して「結合して」と頼むやり方。これも相手のサーバーにファイルを置くことになります
ひとり事業主がつまずくのは、この3つを「全部同じ」だと思っていることです。手元でやれば何も起きない作業を、わざわざ外に出してやっている人が多い。そして、外に出すときに「この書類は出していいものか」を考えていない。
AIチャットがPDF作業に向かない理由
まず3つ目から片づけます。AIチャットは「読む」のは得意ですが、「ファイルを作って返す」のは苦手です。実際、ChatGPTの利用者の掲示板には「2つのPDFを結合してと頼んだら、処理はしたのにファイルがダウンロードできない」という報告が複数あります。できるときもあれば、できないときもある。これでは仕事の道具になりません。
しかも、AIチャットにPDFを渡した時点で、ファイルは相手のサーバーに送られています。つまり「ネット上のPDFツールに上げる」のと同じ判断が要るのに、その自覚がないまま渡してしまう。「AIなら何でもやってくれる」という期待が、いちばん余計な手間と心配を生んでいます。
AIチャットにPDFを渡していいのは、中身を読んで要点を出してほしいときだけです。それも、相手の情報が入っていない書類に限ります。この使い方は長いPDFをAIに読ませて要点を出すにまとめています。
作業と書類の中身で決める判断表
残る「手元」と「ネット上」のどちらでやるか。決め手は作業の種類ではなく、書類に誰の情報が入っているかです。
| 書類の中身 | 例 | 手元 | ネット上の無料ツール |
|---|---|---|---|
| 自分の情報だけ、または公開済みのもの | チラシ、自作の資料、公開済みの案内 | ○ | ○(使ってよい) |
| 相手の名前・住所・金額が入っている | 見積書、請求書、契約書、申込書 | ○ | △(相手の了解なしには上げない) |
| 健康・家族・お金の事情など、漏れたら取り返しがつかないもの | 診断書、身分証の写し、口座情報、マイナンバー | ○ | ×(上げない) |
○の行は好きにやって構いません。問題は△と×です。
ネット上の無料ツールは、たいてい「一定時間が経てばファイルを自動で消す」と案内しています。たとえばiLovePDFは公式ページで「処理から2時間以内に自動的に削除」と明記していますし、Adobeのオンライン版も「ログインして保存しない限り削除される」と書いています。信用できる会社であれば、黙ってファイルを残すことは考えにくい。
それでも△と×を分ける理由は、万が一のときに、相手に説明できるかどうかです。「見積書を無料サイトに上げて作業しました」と、お客様に堂々と言えるか。言えないなら、最初から上げないほうがいい。しかも、△と×の作業は手元でもできるので、上げる必要がそもそもありません。
もう1つ。「後で消える」は、上げてから消えるまでの間に問題が起きないという保証ではありません。この手の線引きはAIに入れていい情報・ダメな情報で書いた考え方と同じで、迷ったら手元でやる、です。
手元だけで済ませる手順
「手元でやる」と決めたら、こう進めます。パソコンの種類で分かれます。
Macの場合(15分で覚えられる)
Macには「プレビュー」というアプリが最初から入っていて、これだけでほぼ全部できます。
- PDFをプレビューで開き、メニューの「表示」から「サムネール」を選んで、左にページの一覧を出す
- 結合したいなら、もう1つのPDFをFinderからその一覧にドラッグする。ページ単位で持ってきたいときは、相手のPDFも開いて、ページの絵をドラッグする
- 並べ替えは、一覧の中でページをドラッグするだけ
- ページを抜き出したいなら、要らないページを選んで削除する
- 変更は自動で保存されるので、作業前に「ファイル」から「複製」で元のPDFのコピーを作っておく(公式のヘルプでもこれを勧めています)
この手順はApple公式のサポートページに載っているとおりで、追加のソフトは要りません。
Windowsの場合
Windowsは、Macほど標準機能がそろっていません。「結合」だけは標準でできないので、やり方を2つに分けます。
ページを抜き出すだけなら、印刷の機能で足ります。
- PDFを開いて、印刷の画面を出す
- プリンターの一覧から「Microsoft Print to PDF」を選ぶ
- ページの指定で、たとえば「2-4」のように必要なページだけ入れる
- 印刷ボタンを押すと、紙は出ず、そのページだけのPDFを保存する画面になる
これは「印刷するふりをして、PDFとして保存する」機能です。分割や抜き出しは、これだけで済みます。
結合や圧縮もしたいなら、オフラインで動く無料ソフトを1つ入れます。
公式情報を整理すると、「PDF24 Creator」というソフトは、無料で、Windows専用で、「オフラインで作動する」「ファイルはお使いのパソコンにローカルに保存され、インターネットにはアップロードされません」と公式ページに明記されています。結合・分割・圧縮・ページの回転が1つのソフトでできます。似た仕組みのソフトはほかにもありますが、選ぶときの条件は同じです。「ネットにつながなくても動く」「ファイルを外に送らない」と公式が書いているものを選んでください。
※この記事で名前を出したソフトやサービスは、公式サイトの案内を読んで整理したものです。料金や仕様は変わることがあるので、入れる前に公式ページで確かめてください。
圧縮は「どのくらい小さくしたいか」を先に決める
容量を小さくする作業で失敗が多いのは、小さくしすぎて文字がつぶれることです。メールに添付したいだけなら、10MBを3MBにできれば十分。「とにかく最小に」とやると、印刷したときに読めなくなります。圧縮の前に、何MB以下にしたいかを1つ決めてから始めてください。
よくある失敗と回避策
- AIチャットに「結合して」と頼んで、できたりできなかったりで30分溶かす。最初から手元でやれば5分です。AIに渡すのは「読ませたいとき」だけ、と決めておく
- 見積書を無料サイトに上げて、後で「あれ、よかったのかな」と不安になる。不安になる書類は、上げる前から答えが出ています。△と×の書類は手元で
- 「無料」のサイトだと思っていたら、ダウンロードの直前で登録や課金を求められる。無料サイトは、作業の回数や容量に上限があることが多い。毎日使うなら、手元のソフトのほうが結局速い
- 元のPDFを上書きしてしまい、戻せない。特にMacのプレビューは変更が自動で保存されます。作業前に複製を作る癖をつける
- 圧縮しすぎて、お客様に送った資料の数字が読めない。送る前に、自分で一度開いて、いちばん小さい文字を見る
向かない人・向かない場面
- 紙をスキャンしたPDFの文字を直したい人。この記事の作業(結合・分割・圧縮)とは別の話で、「読み取り」の道具が要ります。紙の書類をAIに読ませるで扱っています
- PDFの中の文章そのものを書き換えたい人。標準機能ではできません。有料のPDF編集ソフトか、元の文書(WordやExcel)を直してPDFにし直すほうが早いです
- 月に1回も使わない人。ソフトを入れるほどではありません。○の書類に限って、ネット上の無料ツールで十分です
まとめ
- PDFの結合・分割・圧縮は、AIチャットの仕事ではない。できたりできなかったりする上、ファイルは相手のサーバーに送られる
- どこでやるかは、作業の種類ではなく書類に誰の情報が入っているかで決める。自分の情報だけならネット上の無料ツールでよい。相手の名前や金額が入っていたら手元で
- Macは「プレビュー」だけでほぼ全部できる。Windowsは「Microsoft Print to PDF」でページ抜き出し、結合や圧縮はオフラインで動く無料ソフトを1つ入れる
- 作業前に元ファイルの複製を作る。圧縮は「何MB以下にしたいか」を決めてから
- AIチャットにPDFを渡すのは「読ませたいとき」だけ。それも相手の情報が入っていない書類に限る
AIチャットにPDFを読ませる正しい使い方は長いPDFをAIに読ませて要点を出すに、何を外に出してよいかの線引きはAIに入れていい情報・ダメな情報に、紙の書類を取り込むところからの話は紙の書類をAIに読ませるにまとめています。