AIで作った画像をチラシやホームページに使っていいか。公開前の5分チェック

AI画像は「使っていい」と「使うと危ない」がはっきり分かれます。文化庁の考え方をもとに、用途別の判断表と、公開前に5分でできる確認手順をまとめました。

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先に結論を書きます。

チラシの背景や挿絵に使う程度なら、手順を守れば使って大丈夫です。ただし「ロゴ」と「実在しそうな人物・施術前後の写真風の画像」はAIで作らないほうが安全です。

この記事は、文化庁が公表している資料と各ツールの公式説明を整理したものです。法律の最終判断が必要な場面では、必ず弁護士など専門家に確認してください。

何が問題になるのか

AI画像で起きうるトラブルは、大きく2つです。

  1. 他人の作品に似てしまう(相手の権利を侵害する側になる)
  2. 自分の画像として守れない(真似されても文句を言いにくい)

多くの記事は1だけを書いていますが、事業で使うなら2も同じくらい大事です。順番に説明します。

1. 他人の作品に似てしまう問題

文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月)では、AIで作った画像でも、普通のイラストと同じように判断するとしています。ポイントは2つの条件です。

  • 似ているか(見た目の、作り手の個性が出た部分が共通しているか)
  • 元の作品をもとにしたか(専門用語で「依拠(いきょ)」といいます)

この2つがそろうと、著作権の侵害になりえます。

ここで注意したいのが、「自分はその作品を知らなかった」は言い訳になりにくいという点です。AIがその作品を学習していた場合、使った人が知らなくても「元にした」と判断される可能性がある、というのが文化庁の整理です。

そして一番危ないのは、作品名やキャラクター名、作家名を指示に入れることです。「〇〇風のイラスト」と書いた時点で、元にしたことを自分で証明しているようなものです。

2. 自分の画像として守れない問題

もう一つの落とし穴が、こちらです。

文化庁の考え方では、AIが作った画像に著作権が認められるには、人が具体的な表現を細かく指示したり、生成の途中で手を加えたりしている必要があるとされています。短い指示を出して出てきたものを選んだだけでは、著作物と認められない可能性が高い。

これが何を意味するかというと、AIで作ったロゴやキャラクターを同業者に真似されても、著作権で止めにくいということです。お店の顔になるものほど、AI任せにしない方がいい理由がここにあります。

用途別の判断表

用途 判断 理由
チラシ・HPの背景、季節の挿絵 ◯ 使ってよい 差し替えがきく。似ていても気づきやすい
SNS投稿の添え画像 ◯ 使ってよい 同上。ただしチェックは省かない
資料やマニュアルの図解のたたき台 ◯ 使ってよい 社内向けなら問題になりにくい
お店のロゴ・看板キャラクター △ 避けたい 自分の権利として守りにくい。商標登録の相談も必要
実在しそうな人物の写真風画像 △ 避けたい 実在の人に似る危険。「お客様の声」に添えると誤解を招く
施術・商品の「使用前後」の写真風画像 ✕ 使わない 実際の効果と誤認させ、広告のルールに触れるおそれ
有名作品・キャラクター「風」の画像 ✕ 使わない 元にしたことが明らか

最後の2つは著作権とは別に、**広告の表示ルール(景品表示法など)**にも関わります。医療・健康・美容など広告の決まりが厳しい業種は、特に慎重にしてください。

公開前の5分チェック(手順)

チラシやHPに載せる前に、次の5つを順番に確認します。慣れれば5分かかりません。

  1. 指示文を見直す:作品名・キャラクター名・作家名・ブランド名が入っていないか。入っていたら、その画像は使わない
  2. 画像検索にかける:GoogleレンズなどでAI画像を検索し、そっくりな画像が出てこないか見る。出てきたら使わない
  3. 文字とマークを拡大して見る:AIはロゴや看板の文字を勝手に描くことがあります。実在の企業のマークに似たものが紛れていないか
  4. 人の顔を見る:芸能人や知人に似ていないか。少しでも気になったら差し替える
  5. 記録を残す:使ったツール名、日付、指示文をメモしておく。万一のときに「特定の作品を元にしていない」説明の材料になる

5の記録は、スマホのメモに1行ずつ貼るだけで十分です。

ツール選びで気をつけること

主要な画像生成ツールの多くは、利用規約で商用利用を認めています。ただし、規約の「使っていい」は、他人の著作権を侵害しないことまでは保証していません。チェックは使う側の仕事です。

学習データを重視するなら、Adobe Fireflyのように「許可を得た素材やAdobe Stockの画像、著作権の切れた素材で学習した」と公式に説明しているツールを選ぶのも一つの手です。ただしFireflyのアプリ内で他社のAIモデルを選んだ場合は、この説明がそのまま当てはまらない可能性があるので、どのモデルで作ったかを確認してください。

無料と有料のどちらを使うかは、AIの無料版と有料版は何が違うのかを参考にしてください。

よくある失敗

  • 「〇〇っぽい感じで」と頼んでしまう:人気作品の雰囲気を真似させるのが一番危ない。代わりに「水彩」「やわらかい色」「シンプルな線」のように、特定の作品に結びつかない言葉で指示する
  • 一発で出た画像をそのままロゴにする:前述のとおり守れない。ロゴはAIを「案出し」に使い、最終的には自分で手を入れるか、デザイナーに頼む
  • お客様の写真をAIに加工させる:顔写真は個人情報です。入れていいかの判断はAIに入れていい情報・ダメな情報を先に読んでください
  • AIの答えを信じて「大丈夫」と判断する:AIに「この画像は著作権的に問題ない?」と聞いても、判断材料にはなりません。理由はAIが平気で嘘をつく理由で説明しています

向かない人

  • お店のブランドイメージを長く育てたい人(ロゴや看板キャラは人の手で)
  • 広告規制の厳しい業種で、効果を見せる画像を作りたい人
  • 5分のチェックを面倒に感じる人(その場合は、有料の素材サイトで買うほうが安心です)

まとめ

  • 背景や挿絵なら、チェックすれば使ってよい
  • 作品名・キャラ名・作家名を指示に入れない。これが一番大事
  • AI画像は自分の権利として守りにくい。ロゴや看板キャラは避ける
  • 公開前に「指示文・画像検索・文字・顔・記録」の5点を確認
  • 迷ったら使わない。判断が必要なら専門家へ
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