打ち合わせの文字起こしと要約をAIに任せる。録音する前に決めておくこと

「録音して文字にする」と「議事録になる」は別物です。1時間の打ち合わせを10分で片づける手順と、録音する前に必ず決めておくべきことを整理しました。

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先に結論を書きます。

打ち合わせの文字起こしは、AIに任せていい仕事です。ただし「文字起こし」と「議事録」は別物で、そこを混ぜると全部やり直しになります。

そして任せる前にひとつだけ、決めておかないといけないことがあります。後半で書きます。

文字起こしと議事録は、まったく別の作業

1時間の打ち合わせを録音してAIに渡すと、1万字くらいの文字の塊が返ってきます。これが「文字起こし」です。

そのままでは使えません。「えーと」「あー、はい」が延々と入っていますし、読むのに結局15分かかります。文字起こしは材料であって、料理ではないんです。

欲しいのはこちらのはずです。

  • 決まったこと
  • 次に誰が何をするか
  • 持ち越しになったこと

この3つに絞ると、1時間の打ち合わせでもA4半分に収まります。つまりやることは2段階です。音声を文字にする → その文字を要約する。道具も分けて考えたほうが早く終わります。

3ステップの手順

1. 録音する

スマートフォンの録音アプリで十分です。テーブルの真ん中、話す人からできるだけ近い位置に置いてください。音質が悪いと、この先の精度が全部落ちます。ここだけは手を抜かないほうがいいです。

2. 文字にする

録音ファイルを文字起こしの道具に読み込ませます。日本語の打ち合わせなら、専用のサービスのほうが精度も手間も有利です(道具は次の章で)。

3. 要約させる

出てきた文字起こしをAIに貼り付けて、こう頼みます。

以下は打ち合わせの文字起こしです。次の3つに分けてまとめてください。 ①決まったこと ②次にやること(担当と期限がわかるなら添えて) ③保留になったこと 文字起こしに書かれていないことは補わず、不明な点は「不明」と書いてください。

最後の一文が大事です。これを書かないと、AIは書いていないことを推測で埋めます。「期限は来週末と思われます」のような、誰も言っていない一文が混ざります。

道具はどう選ぶか

大きく3通りあります。

方法 向いている場面 注意点
専用の文字起こしサービス 1時間の打ち合わせ、複数人の会話 無料だと時間の上限がある
ChatGPT・Gemini などのアプリに直接話す 自分ひとりの口述メモ、移動中の思いつき 長い会話の丸ごと処理には向かない
パソコンの音声入力(WindowsならWindowsキー+H) その場でメモを打つ代わり 録音ファイルは扱えない

専用サービスの代表が Notta です。公式の料金ページを確認すると、無料プランは月120分まで、ただし1回あたり3分までという制限があります(有料のプレミアムプランは年払い換算で月1,185円、1回5時間まで)。つまり無料のままでは1時間の打ち合わせは通りません。ここは最初につまずく人が多いところです。料金は変わりますので、契約前に必ず公式サイトで確認してください。

筆者は普段、自分ひとりの口述メモはパソコンの音声入力、人との打ち合わせは録音して専用サービス、という使い分けをしています。道具を1つに絞ろうとすると、だいたいどちらかが不便になります。

録音する前に決めておくこと

ここが本題です。

相手に「録音していいですか」と聞く。

法律の細かい話に入る前に、実務として必ずやってください。黙って録音していたことが後から分かったときに失うものは、議事録の手間よりはるかに大きいです。ひとこと断れば、たいていの相手は問題なく受けてくれます。

そのうえで、もうひとつ。録音には、相手の名前・会社名・時には健康状態やお金の話が丸ごと入っています。これを外部のサービスにアップロードするということは、その情報を自分の外に出すということです。

最低限、次の2つは押さえてください。

  1. 使うサービスが、アップロードした音声をAIの学習に使わない設定になっているか確認する
  2. 特に機微な内容(健康・お金・人事)を含む打ち合わせは、そもそもアップロードしない

この線引きはAIに入れていい情報・ダメな情報に詳しくまとめています。録音を扱う前に一度読んでおくことをおすすめします。

制度や契約に関わる録音の可否で迷ったら、自己判断せず専門家か公式窓口に確認してください。

向かない人・うまくいかない場面

良いことばかりではありません。正直に書きます。

月に1〜2回しか打ち合わせがない人には、たぶん不要です。 録音して、アップロードして、要約させて、確認する。この一連の流れを覚えるコストのほうが、手で議事録を書くより高くつきます。週に何度も打ち合わせがある人向けの道具です。

雑音の多い場所では精度が落ちます。 カフェ、工事中の事務所、電話のスピーカー越し。このあたりは文字起こしが崩れて、直すほうが時間がかかります。

方言と業界用語も苦手です。 専門用語が多い打ち合わせだと、独特の言葉が全部おかしな漢字に化けます。よく使う用語を登録できるサービスもありますが、最初は手直し前提で考えてください。

そして、確認作業はなくなりません。 要約が正しいかどうかを判断できるのは、その場にいた自分だけです。「AIがまとめたから正しいはず」で送ってしまうのが一番危ない使い方です。AIが平気で事実をでっち上げる仕組みについてはAIが平気で嘘をつく理由と、嘘を見抜く3つの方法に書きました。

まとめ

  • 文字起こしと議事録は別物。文字にする → 要約するの2段階で考える
  • 要約を頼むときは「決まったこと・やること・保留」の3つに絞らせる
  • 「書いていないことは補わないで」と必ず添える
  • 録音する前に、相手にひとこと断る
  • 機微な内容はそもそもアップロードしない
  • 打ち合わせが月1〜2回なら、手で書いたほうが早い

要約で出てきたものを、そのまま報告書や送付文の形にする流れは請求書・報告書をAIで作るが参考になります。

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