AIっぽい文章はお客様に気づかれる。全部は直さず、「自分の声で届く文章」だけ3分で手直しする

AIに書かせた文章は、読み慣れた人なら数行で「あ、AIだな」と分かります。事務連絡ならそれで構いませんが、お礼・お詫び・提案のように「自分の声」で届くべき文章でそう思われると、信用が少し削れます。とはいえ全部を直す時間はありません。日本語のAI文章に出る5つの癖、直す文章・直さない文章の判断表、1通3分の手直し手順、「人間らしく書いて」と頼み直す失敗をまとめました。

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結論から言うと、AIに書かせた文章を全部直す必要はありません。直すのは、お客様が「この人の言葉だ」と思って読む文章だけ。具体的にはお礼、お詫び、提案、初めての相手への自己紹介です。営業時間のお知らせや資料送付の連絡は、AIっぽくても誰も気にしません。

この線を引いておかないと、「AIくさいのが気になる」と全部に手を入れて、AIを使う前より時間がかかるという本末転倒が起きます。店主も最初はそうなりました。この記事では、日本語のAI文章に出る癖を5つに絞り、直す文章と直さない文章を分け、1通3分で終わる手直しの順番を書きます。

なぜ気づかれるのか。日本語のAI文章に出る5つの癖

AIの文章は、文法も敬語も正しいのに「誰も話していない日本語」になりがちです。読む側は理屈ではなく、次のような癖の重なりで気づきます。

  1. 言い切らない。「〜かと思われます」「〜ではないでしょうか」「〜と考えられます」が続く。本人なら「できます」「お待ちしています」と言い切る場面でも、AIは予防線を張る
  2. 丁寧語の重ね着。「ご確認いただけますと幸いです」「何卒よろしくお願い申し上げます」が、普段ため口に近いやり取りをしている相手にも付く。急に他人行儀になった、と相手は感じる
  3. 要らない前置きと締め。「いつもお世話になっております」から始まり、「ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください」で終わる。中身が2行なのに前後で6行ある
  4. 箇条書きと記号が残る。本文に「・」や「**」、見出し風の行が混じる。LINEやメールでこの形は、人が打ったように見えない
  5. 文の長さと語尾がそろう。「〜です。〜です。〜です。」と同じ長さの文が3つ4つ並ぶ。人が書くと、短い文と長い文が勝手に混ざる

1つだけなら誰でもやります。3つ以上重なると「AIだな」と思われる、くらいに見ておいてください。

直す文章・直さない文章の判断表

分かれ目は、相手が「書き手の人柄」を読み取ろうとする文章かどうかです。

文章の種類 AIっぽさの影響 やること
営業時間・休業・料金のお知らせ ほぼ無い 数字だけ確認してそのまま出す
資料送付・日程確認・受領の連絡 ほぼ無い 長さだけ削ってそのまま出す
問い合わせへの初回返信 小〜中 前置きと締めを削る。言い切る
お礼(購入後・来店後・紹介のお礼) 大 3分手直し。その人にしか書けない1行を足す
お詫び・ミスの報告 大 3分手直し。定型句を全部外す
提案・見積もりに添える一言 大 3分手直し。自分の判断を1文入れる
初対面の相手への自己紹介・あいさつ 大 3分手直し。できれば自分で書く
クレームへの返信・お悔やみ 特大 AIに書かせない

上の4行は、AIが書いた文章を読む側も「事務連絡だ」と思って読むので、人柄を探しません。下の4行は、相手があなたの温度を読みに来ている文章です。ここでAIの定型句が並ぶと、「心がこもっていない」ではなく「この人、自分で書いてないな」と伝わります。それは不快ではなくても、信用の目減りになります。

1通3分の手直し手順

対象は判断表で「大」になった文章だけです。1通3分を超えるなら、やり方を間違えています。

  1. 前置きと締めを消す(30秒)。「いつもお世話になっております」「ご不明な点が〜」のような、どの相手にも使える行を丸ごと削る。残った本文だけで用件が伝わるなら、それで正しい
  2. 言い切りに変える(30秒)。「〜かと思われます」を「〜です」に、「ご検討いただければ幸いです」を「ご検討ください」か「一度試してみませんか」に直す。自分が電話で言うならどう言うか、で決める
  3. 記号と箇条書きをほどく(30秒)。「・」で並んだ3項目は、「AとBとCをお送りします」の1文にする。「**」や「#」が残っていたら全部消す
  4. その人にしか書けない1行を足す(1分)。「先日おっしゃっていた〇〇、その後いかがですか」「お子さんの発表会、無事に終わりましたか」のような、AIが知らない事実を1行。これが入ると、ほかがAIっぽくても気にならなくなる
  5. 声に出して読む(30秒)。口に出して詰まる所は、自分の言い回しではない証拠。そこだけ普段の言葉に置き換える

手順4が一番効きます。逆に言うと、手順4に書くことが何も思いつかない相手には、まだ「お礼」「提案」を書く段階ではないのかもしれません。

「人間らしく書いて」と頼み直しても消えない

AIっぽさに気づいた人がまずやるのが、「もっと自然に」「人間が書いたように」と頼み直すことです。これは効きません。

AIは「自然に」と言われると、今度は「〜ですね!」「〜かも」のようなくだけた語尾や絵文字を足してきます。癖の種類が変わるだけで、「誰も話していない日本語」である点は変わらない。しかも軽くなった分、お詫びや提案には使えなくなります。

効くのは2つだけです。1つは、自分が過去に書いた文章を見本として貼ること。これはメールの下書きをAIに任せるで書いた方法で、文体をそのまま真似してくれます。もう1つは、「やってほしくないこと」を具体的に言うこと。「前置きなし」「箇条書きなし」「『幸いです』を使わない」「4行以内」のように、消したい癖をそのまま禁止します。「自然に」のような気分の言葉より、禁止のほうがAIには伝わります。

よくある失敗と回避策

  • 全部直して、AIを使う前より遅くなる:判断表の上4行は直さない。「直すのは人柄を読まれる文章だけ」と決めておく
  • 手直しで事実を消す:前置きを削る勢いで、日付や金額の行まで消してしまう。削るのは「どの相手にも使える行」だけ。数字の入った行には触らない
  • 自分の言葉に直したつもりで、別のAIっぽさに変わっている:「〜ですね!」を足しただけなら直っていない。声に出して読む手順を飛ばさない
  • 手順4の「その人にしか書けない1行」をAIに作らせる:AIはお客様の事情を知らないので、もっともらしい事情を作ります。「先日の件」程度ならまだしも、「ご家族の体調」のような具体的な話をAIに足させるのは危険です。口コミ返信で書いた「書き足される事情」と同じ問題が、ここでも起きます
  • お礼やお詫びにAIの「盛り言葉」が残る:「心より」「深く」「多大なる」が並ぶと、かえって軽く読めます。チラシと同じで、盛り言葉は消してから使う

向かない人・向かない場面

  • 相手との関係が深く、文章で人柄を見られている人:常連や長い付き合いの取引先が中心なら、お礼や提案は最初から自分で書いたほうが早いです。AIは事務連絡に限る
  • 1日に何十通も定型の返信を出す人:この記事の「3分手直し」は、1日数通が前提です。何十通もあるなら、手直しではなく「見本を貼って最初から自分の文体で出させる」仕組みの方を整えてください
  • ホームページやブログの文章:読む相手が特定の1人ではないので、この記事の判断表は当てはまりません。そちらはホームページにAIの文章を載せていいかの基準で見てください

まとめ

  • AIっぽい文章を全部直す必要はない。直すのは、お礼・お詫び・提案・初対面のあいさつのような「人柄を読まれる文章」だけ
  • 日本語のAI文章の癖は5つ。言い切らない、丁寧語の重ね着、要らない前置きと締め、記号の残り、文の長さがそろう。3つ重なると気づかれる
  • 手直しは1通3分。前置きと締めを消す、言い切る、記号をほどく、その人にしか書けない1行を足す、声に出して読む
  • 「人間らしく」と頼み直しても消えない。効くのは「自分の過去の文章を貼る」と「消したい癖をそのまま禁止する」の2つ
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