ホームページをAIの「自動作成」で作るか。見た目より先に、「あとで引っ越せるか」と「AIが入れた仮の文章」を確かめる
Wix・Jimdo・ペライチなどのホームページ作成サービスには、質問に答えるだけでAIがページを作ってくれる機能があります。早いのは本当ですが、困るのは公開した後です。サイトをよそへ持ち出せないサービスがあること、AIが入れた仮の文章や写真がそのまま公開されがちなこと。AI自動作成で足りる人・足りない人の判断表、公開前の7手順、よくある失敗をまとめました。
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結論から書きます。ひとり事業主の「名刺代わりのホームページ」なら、AIの自動作成で十分です。 ただし作り始める前に「そのサービスから、あとで引っ越せるか」を確かめ、公開する前に「AIが入れた仮の文章・写真」をすべて自分の言葉と写真に入れ替えてください。この2つを飛ばすと、早く作れた分だけ後で高くつきます。
この記事は、店主が各サービスを使い比べた体験談ではなく、各社の公式ヘルプと発表を読んで整理した話です。料金や機能はよく変わるので、契約前に公式サイトで確かめてください。
AIの自動作成で何ができるのか
ホームページ作成サービスの多くに、AIがページの下書きを作る機能が付いています。流れはだいたい同じです。
- 業種・店名・目的(予約を取りたい、問い合わせがほしい等)を質問に答える形で入力する
- AIが、配色・ページの構成・見出し・仮の文章・写真を入れた下書きを作る
- それを自分で手直しして公開する
ペライチには、参考にしたいサイトのURLを入れると、そのサイトの画像や文章を読み込んで構成やデザインを提案する機能があると、2024年8月に報じられています。
早いのは確かで、白紙から作るより「直すだけ」のほうがずっと楽です。問題は作る速さではなく、次の2つです。
落とし穴1:サイトを「よそへ持ち出せない」ことがある
意外と知られていないのがここです。たとえばWixの公式ヘルプには、Wixのサイトは独自の技術で動いているため、Wixのサーバーで動かす必要があると書かれています。つまり、別の会社のサーバーへサイトをまるごと引っ越すことはできません。他社で取ったドメイン(○○.comのような住所)をWixのサイトにつなぐことはできますが、サイト本体はWixの上に残ります。
これは悪いことではありません。「ずっとこのサービスで続ける」と決めているなら、何の問題もありません。困るのは次のような場面です。
- 数年後に「ホームページ制作を人に頼みたい」となったとき、作り直しになる(文章と写真は自分で書き出して渡す)
- 値上げやサービスの方針変更があっても、移るには作り直すしかない
- ドメインをそのサービスで取っていると、引っ越すときにドメインの移管手続き(別の会社へ住所を移す手続き)も必要になる
ここで大事なのは「サイト」と「ドメイン」を分けて考えることです。サイトは作り直せますが、ドメインはお客様に覚えてもらった住所なので、なくすと困ります。 ドメインだけは、作成サービスとは別の会社で、自分の名義で取っておくと安心です。
落とし穴2:AIが入れた「仮の文章・写真」がそのまま公開される
AIの下書きは、それらしく見せるために中身を埋めてきます。たとえば次のようなものです。
- 「地域の皆さまに愛されて○年」のような、実際とは違う年数や実績
- それらしい「お客様の声」
- 自分の店ではない店内や、知らない人が写った見本の写真
- 実際には受けていない「予約」「オンライン相談」などのボタン
見た目が整っているので、仮のまま公開してしまうのがいちばん多い失敗です。特に、実在しないお客様の声や根拠のない「No.1」「満足度○%」は、景品表示法(広告の表示についての法律)の問題になり得ます。載せ方に迷ったら、消費者庁の窓口や専門家に必ず確認してください。
ペライチのように「参考サイトのURL」を入れる機能を使う場合、よその店のサイトを入れると、その店の文章や写真に似たページができるおそれがあります。参考にするなら構成だけにとどめ、文章と写真はすべて自分のものに差し替えてください。
AI自動作成で足りるか・足りないかの判断表
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 店の場所・営業時間・連絡先が載っていればいい | AI自動作成で十分 | 1〜2ページで済む。直す量も少ない |
| 1つの商品・講座の申込ページがほしい | 1ページ型のサービス+AI | ページが少ないほど仮の文章の見落としが減る |
| ブログやお知らせを長く書き続けたい | 引っ越しやすさを先に確かめる | 記事が増えるほど、作り直しの手間が重くなる |
| 予約・決済・会員機能まで入れたい | そのサービスの機能で足りるかを先に確かめる | AIは見た目を作るだけ。予約の仕組みは別の話 |
| いずれ制作会社に頼むつもり | AIで作るのは「中身の下書き」までにする | 文章と写真をそろえておけば、頼むときに安く早く済む |
公開前にやる7つの手順(初回60〜90分)
- ドメインを誰の名義で取るか決める:作成サービス任せにせず、自分の名義・自分のアカウントで取る
- 「引っ越せるか」を公式ヘルプで確かめる:サービス名と「エクスポート」「移行」「移管」で公式ヘルプを検索する
- AIの下書きを作る:質問には具体的に答える。「地域密着」より「○○駅から徒歩5分、平日のみ」のほうが仮の文章が減る
- 全ページを印刷するつもりで上から読む:数字・年数・実績・お客様の声に赤で印をつける
- 印をつけた所を、本当のことに直すか消す:裏付けがないものは消す。少なくても事実だけのほうが信用される
- 写真をすべて自分の写真に入れ替える:見本の写真が1枚でも残っていないか、スマホ表示でも確かめる
- ボタンとリンクを全部押してみる:問い合わせフォームが自分のメールに届くか、電話番号が正しくかかるかを確かめる
手順4〜6は、AIが速く作ってくれた分の「つけ」です。ここを30分でもやると、仮の文章のまま公開する事故はほぼ防げます。
よくある失敗と回避策
- 失敗:無料のまま公開したら広告が出て、住所もサービス名入りのまま → 回避:無料は練習用と割り切る。お客様に見せるのは、独自ドメインにしてから
- 失敗:何年か後、制作を頼もうとしたら「全部作り直し」と言われた → 回避:文章と写真は、作成サービスの外(パソコンやクラウド)にも保存しておく
- 失敗:AIが作った「お客様の声」を消し忘れた → 回避:手順4の「赤で印」をやる。消し忘れは見た目ではなく、文字を読まないと気づけない
- 失敗:スマホで見たら文字が切れていた → 回避:公開前に必ず自分のスマホで全ページを見る。お客様の多くはスマホで見ている
- 失敗:AIに文章を何度も作り直させて、結局どれにも決められない → 回避:AIには「骨組み」だけ作らせ、文章は自分の話し言葉を元に直す
向かない人・向かない場面
- ページ数が多く、何年も育てていくサイトを作りたい人:引っ越せないサービスだと、後から身動きが取れなくなります
- 検索で上位に出ることが商売の生命線の人:AIの下書きのままでは、ほかの店と似た文章になりがちです
- 予約・決済・顧客情報を扱う仕組みを組み込みたい人:見た目より、その仕組みの安全性と使い勝手で選ぶべきです
- 自分で文章を読み直す時間が取れない人:仮の文章が残ったまま公開されるくらいなら、まだ公開しないほうがましです
まとめ
- 名刺代わりのホームページなら、AIの自動作成で十分に作れる
- 作る前に「そのサービスから引っ越せるか」を公式ヘルプで確かめる。Wixのように、サイトをよそへ持ち出せないサービスもある
- ドメインは自分の名義で取る。サイトは作り直せるが、住所は作り直せない
- 公開前に、AIが入れた数字・お客様の声・見本写真をすべて本物に入れ替える
ホームページの文章そのものが検索でどう扱われるかは「AIで書いた文章を自分のホームページに載せていいか」、自己紹介の書き方は「プロフィール文をAIで書く」、載せる画像の注意は「AIで作った画像をチラシやホームページに使っていいか」にまとめています。