ホームページの「よくある質問」をAIで作る。質問はAIに考えさせず、過去のメールとLINEから拾う
同じ問い合わせに何度も答えているなら、ホームページに「よくある質問」を置くと手間が減ります。ただしAIに「よくある質問を作って」と頼むと、実際には誰も聞いてこない質問と、お店が約束していない答えが並びます。質問は過去のメールやLINEから拾い、AIには「まとめる」「言い換える」だけを任せる手順、載せる質問・載せない質問の判断表、よくある失敗をまとめました。
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結論から書きます。「よくある質問」のページはAIで作って構いません。ただし質問そのものはAIに考えさせず、過去に実際に届いたメールやLINEから拾ってください。AIに任せるのは「似た質問をまとめる」「答えを読みやすく言い換える」の2つだけです。
AIに「整体院のよくある質問を10個作って」と頼むと、それらしい質問がすぐ並びます。ただ、それは世の中の平均的な質問で、あなたのお客様が実際に迷っていることではありません。しかも答えの欄には、お店が決めていない約束が混ざります。
AIに丸投げすると何が起きるか
AIに業種だけ伝えて作らせたときに出てくるものを、よくある形に分けると次の3つです。
- 誰も聞いてこない質問が並ぶ。「施術に資格は必要ですか」「どんな効果がありますか」のような、検索で調べればわかる一般的な質問が上に来ます。一方で、本当に多い「駐車場はどこですか」「当日の予約はできますか」は抜けがちです
- 答えに勝手な約束が入る。「お気軽にご相談ください。柔軟に対応いたします」「初回はお試し価格でご案内しています」など、お店が決めていないことを、もっともらしく書き足します
- 言い切ってはいけない答えを言い切る。健康・お金・法律に関わる質問に「〜なので安心です」「〜は必ず改善します」と書きます。業種によっては、広告として問題になる書き方です
ホームページに書いた答えは、お客様から見ればお店の約束です。電話で「ホームページに書いてありましたよね」と言われたら、ほとんどの場合こちらが折れることになります。
先に決めること:そもそも置くべきか
「よくある質問」は、置けば必ず得をするページではありません。次の表で、自分がどれに当たるか先に確かめてください。
| 今の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ質問に月3回以上答えている | 置く | 1回2〜3分でも、月に10分前後の手間が減る |
| 質問は来るが、毎回内容がバラバラ | 置かない | まとめても読まれない。答えるほうが早い |
| 問い合わせ自体が月に数件 | 置かなくてよい | 料金と予約方法がトップにあれば足りる |
| 料金・キャンセル・駐車場の質問が多い | 置く前に本文を直す | そもそも本文で見つからないのが原因 |
| 医療・お金・法律の相談が多い | 置くなら「個別にお答えします」の一文で止める | 一般論の答えを書くと誤解される |
4つ目は見落とされがちです。「料金はいくらですか」が多いなら、よくある質問に書くより、トップページの目立つ場所に料金を出すほうが効きます。よくある質問は、本文で解決できない残りを受け止める場所だと考えてください。
なお、少し前まで「よくある質問を置くと、Googleの検索結果に質問と答えが展開されて目立つ」と言われていました。この表示は2023年に政府機関と健康関連のサイトに絞られ、2026年5月には表示そのものが終わったと、Googleの公式ドキュメントに記載されています。検索で目立つから作る、という理由はもう成り立ちません。作るなら、問い合わせを減らすためです。
作る手順(初回60分)
1. 過去3か月の問い合わせを集める(20分)
メール、LINE、問い合わせフォーム、電話のメモを3か月分さかのぼって、お客様の質問の文だけを書き出します。メモ帳やスプレッドシートに1行1件で並べれば十分です。
このとき、お客様の名前・電話番号・住所・体の状態などは消してから書き写します。AIに貼る前ではなく、書き写す段階で消すのがコツです。あとで消し忘れるのを防げます。
2. AIに「まとめるだけ」をさせる(5分)
集めた質問をAIに貼って、こう頼みます。
以下は、私のお店に実際に届いた質問です。似た質問を1つにまとめて、多い順に並べてください。それぞれ何件あったかも書いてください。新しい質問は足さないでください。答えはまだ書かないでください。
「新しい質問は足さないで」「答えはまだ書かないで」の2つが大事です。これを書かないと、AIは親切心で一般的な質問を付け足し、答えまで作り始めます。
3. 載せる質問を選ぶ(5分)
上から順に見て、2件以上あった質問だけを残します。最初は5〜8問で十分です。20問並んだページは、お客様が自分の質問を探す手間が増えるだけです。
4. 答えは自分で箇条書きにする(15分)
ここはAIに任せません。1問につき、事実だけを短く書きます。
- 駐車場:店の前に1台。満車なら向かいのコインパーキング(料金はお客様負担)
- 当日予約:空きがあれば可。電話のみ。LINEは返信が遅れることがある
文章として整っていなくて構いません。決まっていることだけを書くのが目的です。
5. AIに言い換えだけをさせる(5分)
箇条書きをAIに渡して、こう頼みます。
以下の箇条書きを、お客様向けの「よくある質問」の答えにしてください。書いてある事実以外は足さないでください。「お気軽に」「柔軟に対応」「安心」などの言葉は使わないでください。1問3行以内にしてください。
6. 足された言葉を消してから載せる(10分)
出てきた文を、自分の箇条書きと1行ずつ見比べます。箇条書きに無い約束・数字・言葉が入っていたら消します。特に「無料」「すぐに」「必ず」「いつでも」は、入っていたら必ず疑ってください。
よくある失敗と回避策
失敗1:AIが作った質問をそのまま全部載せた 実際の問い合わせと合っていないので、問い合わせは減りません。むしろ「そんなことまで書いてあるのに、知りたいことが無い」という印象になります。→ 質問は必ず過去の実物から拾う。
失敗2:答えに料金を書いたまま、値上げで直し忘れた 料金表は直したのに、よくある質問の中の「1回◯円です」が古いまま、ということがよく起きます。→ 答えの中には金額を書かず、「料金は料金ページをご覧ください」とリンクにする。金額を書く場所は1か所だけにする。
失敗3:キャンセル料や返金の答えを、決まりと違う言い方で書いた キャンセルの扱いをよくある質問にも書くと、決まりの本文と微妙に言い方がずれて、どちらが正しいのかで揉めます。→ キャンセルの決まりは1ページにまとめ、よくある質問からはそこへ案内するだけにする。
失敗4:作ったきり見直さない 半年たつと、営業時間や予約方法が変わっていることがあります。→ 料金や営業時間を変えた日に、よくある質問も一緒に開く。カレンダーに「半年に1回見直す」と入れておく。
向かない人・向かない場面
- 問い合わせが少ない人。月に数件なら、ページを作って直し続ける手間のほうが大きくなります
- 答えが人によって変わる仕事。見積もりが現場次第、体の状態次第など、一般的な答えを書けない質問が中心なら、「状況をうかがってからお答えします」と書いて問い合わせに誘導するほうが誤解がありません
- 健康・お金・法律について、効果や結果を答える質問。広告の決まりに触れることがあります。書き方に迷ったら、業界団体や専門家に確認してください
まとめ
- 「よくある質問」は、同じ質問に月3回以上答えているなら置く価値がある
- 質問はAIに考えさせず、過去3か月のメール・LINEから拾う。個人情報は書き写す段階で消す
- AIに任せるのは「似た質問をまとめる」と「答えの言い換え」だけ。答えの中身は自分で箇条書きにする
- 金額とキャンセルの決まりは、よくある質問に書かず、正式なページへ案内する
- 検索結果で目立つ効果はもう無い。目的は問い合わせを減らすこと
ホームページやLINEにAIを置いて、お客様の質問に自動で答えさせるかどうかは「ホームページやLINEにAIの自動応答を置くか」で、AIで書いた文章をホームページに載せるときの考え方は「AIで書いた文章を自分のホームページに載せていいか」でまとめています。キャンセルの決まりそのものを作るなら「キャンセルポリシーをAIで作る」もどうぞ。