仕事の年賀状をAIで作る。先に「誰に出すか」を3つに分け、AIが入れがちな重ね言葉と言い回しを消してから刷る
取引先やお客様への年賀状の文面は、AIに頼めば1分で出てきます。ただ、そのまま刷ると「新年あけましておめでとう」「1月1日元旦」のような重ね言葉や、個人のお客様には堅すぎる定型文が混ざりがちです。出す相手の分け方、AIへの頼み方、刷る前の点検リスト、年賀状じまいの文面、よくある失敗をまとめました。
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結論から書きます。仕事の年賀状は、AIに文面を頼む前に「出す相手」を3つに分けるのが先です。文面はAIで十分ですが、刷る前に重ね言葉と堅すぎる言い回しを消す点検を必ず入れます。
AIは「それらしい年賀状」をすぐ出してくれます。ただ、マナー上の細かい誤りを平気で混ぜてきます。100枚刷ってから気づくと、刷り直しの手間もはがき代もかかります。
※この記事は、AIチャットで文面を作る手順と、年賀状の一般的なマナーを整理したものです。はがきの日程は日本郵便の発表(2026年10月時点)にもとづきます。
まず「出す相手」を3つに分ける
いきなり文面を作ると、取引先にもお客様にも同じ文を送ることになりがちです。先に名簿を見て、相手を3つに分けます。
| 相手 | どうするか | 文面の調子 |
|---|---|---|
| 会社の取引先・紹介をくれる人 | はがきで出す(急にやめると「何かあったか」と思われやすい) | かしこまった定型文+手書きの一言 |
| 長く通ってくれている個人のお客様 | はがきで出す。ただし喪中のお知らせが届いた人は外す | やわらかい言葉。「格別のお引き立て」は使わない |
| 1年以上やりとりがない人・同業の個人事業主 | 年賀状じまいの挨拶を出す、またはメールやLINEの挨拶に切り替える | 短く、今後の連絡先を書く |
判断の分かれ目は1つです。「今年、相手から仕事やご縁をもらったか」。もらった人には出す、そうでない人はやめる候補にします。
なお、仕事の付き合いでは喪中の考え方は当てはまらないことが多く、法人の取引先には例年どおり出すのが一般的とされています。迷う相手だけ、自分の判断で外してください。
AIへの頼み方(4手順)
- 相手の種類ごとに別々に頼む:「取引先向け」「個人のお客様向け」「年賀状じまい」を1回ずつ。まとめて頼むと文の調子が混ざります
- 条件をはっきり書く:次のように伝えます
個人事業主(業種:○○)から、取引先に送る年賀状の文面を3案ください。条件:賀詞は「謹賀新年」、本文は3〜4行、句読点は使わない、「去る」「失う」「倒れる」などの縁起の悪い言葉を避ける、日付は「令和九年 元旦」。今年あった出来事として「新しいサービスを始めた」を1行入れる。
- 出てきた3案から1つ選び、1行だけ自分の言葉に変える:全部を書き直す必要はありません。今年の出来事の行だけ、自分の言い方にします
- 下の点検リストで見直してから刷る
住所録はAIに貼らないでください。文面づくりに名前や住所はいりません。宛名は年賀状ソフトや印刷サービスの宛名機能で作ります。何を入れてよいかの線引きはAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。
刷る前の点検リスト(AIがよく混ぜるもの)
AIの文面で実際によく出てくるのは、次のような誤りです。1枚目を刷る前に、上から順に確かめます。
- 重ね言葉:「新年あけましておめでとうございます」は「新年」と「あけまして」が意味の重なりとされます。「あけましておめでとうございます」だけにします
- 日付の重なり:「1月1日 元旦」は、元旦が「1月1日の朝」という意味なので重なっています。「元旦」か「元日」だけにします
- 賀詞(がし)の重なり:「謹賀新年」と書いたあとに「あけましておめでとうございます」を続ける文。どちらか1つにします。賀詞とは年賀状の最初に書くお祝いの言葉のことです
- 目上の相手に2文字の賀詞:「迎春」「賀正」などの2文字は略した形とされ、取引先には「謹賀新年」や「恭賀新年」のほうが無難です
- 「去年」:「去る」を含むため、「昨年」か「旧年」に変えます
- 干支(えと)の取り違え:2027年は未(ひつじ)年です。AIが前の年の干支を書くことがあります
- 堅すぎる定型文:個人のお客様に「格別のお引き立てを賜り」は距離を感じさせます。「昨年もたくさんご来店いただき ありがとうございました」くらいで十分です
- 勝手な約束:AIは「本年も変わらぬ価格で」「新春特別割引」のような一文を足すことがあります。決めていない約束は消します
AIが足す「盛り言葉」の消し方は、チラシや案内文をAIに書かせると同じ考え方です。
年賀状じまいの文面も作れる
年賀状をやめる相手には、最後の1枚でその旨を伝えます。AIに頼むときは、次の3つを自分で決めてから渡します。
- やめる理由を1行で(例:「今後は年始のご挨拶をメールでお送りします」)。AIは「高齢のため」「環境への配慮から」など、事実と違う理由を足すことがあるので消します
- 今後の連絡手段(メール・LINE公式アカウントなど)
- これからもよろしく、の一言
取引先にやめる場合は、ほかの相手より丁寧に、来年からメールで挨拶することを書いておくと角が立ちにくくなります。
画像も作るなら、文字はあとから入れる
画像生成AIでイラストを作る人も増えています。ただし、画像の中に日本語を書かせると、字が崩れたり存在しない漢字になったりしやすいのが今の弱点です。絵だけを作らせ、文字は年賀状ソフトやCanvaなどで後から重ねてください。ツールの選び方は画像生成AIはどれを選ぶか、使ってよいかの確認はAIで作った画像をチラシやホームページに使っていいかにまとめています。
日程の目安(2027年用)
日本郵便の発表では、2027年用の年賀はがきは2026年11月2日(月)から販売、12月20日(日)から受け付け、12月27日(日)までに出せば元日に届く目安とされています。はがきの郵便料金は85円です。
作業は次の順にすると、年末に慌てずに済みます。
- 11月中:相手を3つに分け、AIで文面を作って点検する(30分〜1時間が目安)
- 12月上旬:はがきを買って試し刷り1枚 → 点検 → 本番
- 12月20日〜27日:手書きの一言を足して投函
細かい日程や料金は変わることがあるので、買う前に郵便局の案内も確認してください。
よくある失敗
- 全員に同じ文面を出す:取引先向けの堅い文が個人のお客様に届き、よそよそしく感じられる。相手の種類ごとに最低2パターン作ります
- AIの文を1字も直さずに出す:同業者から同じような文が届いていて、「どこかで見た文」になる。今年の出来事の1行だけは自分の言葉にします
- 試し刷りをしない:重ね言葉や干支の誤りに気づかないまま100枚刷る。必ず1枚目を刷ってから、紙の上で点検リストを見直します
- 喪中のお知らせを名簿に反映していない:個人のお客様で起きやすい失敗です。お知らせが届いたら、その日のうちに名簿へ印を付けます
向かない人
- 手書きの年賀状が売りになっている人:毎年、文面を自分で考えるのが楽しみな人は、AIを使う理由がありません
- 出す枚数が10枚以下の人:AIで作って点検する手間と、自分で書く手間に大差がありません
逆に、30枚以上を相手別に書き分ける人ほど、AIで下書きを作る効果が大きくなります。
まとめ
- 文面の前に、相手を「出す」「やわらかく出す」「やめる」の3つに分ける
- AIには相手の種類ごとに頼み、住所録は渡さない
- 刷る前に、重ね言葉・干支・堅すぎる言い回し・勝手な約束を点検する
- 今年の出来事の1行だけは、自分の言葉にする
年賀状は、1年に1回だけ相手の手元に届く「お店からの手紙」です。AIで手間を減らし、浮いた時間で手書きの一言を足すくらいが、ちょうどよい使い方です。